お菓子づくり4代目、水は使わず、全部深層水(岩内町)

今日は岩内のお菓子屋さん、
100年以上の歴史がある
かねきち藤田本店を訪ねました。

100年以上も商売しておられるんですね?
「明治5年って聞いてるけど、もともと初代(現社長の祖父)が佐渡から岩内に来て、この場所で最初、駄菓子屋を始めたらしいよ。お菓子を作ってたんじゃなくて、内地からのお菓子を売ってたんだね。明治30年ころ、お餅やアンパンのようなお菓子を作るようになって、2代目(現社長の父)が昭和の初めから洋菓子とパンを作るようになったのさ。2代目あたりまでは兄弟で本店、支店ってやってたんだけど、大火事で全部燃えちゃってね。俺の両親はこの本店を一から再建するとき、それは大変な思いをしたようさ。もともとこの場所って言ったけど、昭和29年の、そう、大火災の後の町の区画整理で道路を作るからって、ほんの少し動いたんだ。
今で何代目かって?俺の兄が3代目かな、俺は社長じゃないけど、今は2番目の兄と2人で菓子作りをしてるから、この代で4代目になるのかな。」

深層水はどのように使っておられるんですか?
「この店では水を使うところで全部、代わりに脱塩水を使ってるんだよ。ほとんどのお菓子に水を使うからね。深層水を始めたときからそうしてるんだよ。町の応援だね。岩内で調達できるなら岩内のものを使うようにしてるから。」

それにしてもかなりお菓子の種類が多いですが、大変じゃないですか?
「これでも減らしてるんだよぉ。でもそれぞれにファンがいてね。岩内に昔住んでた人から電話で注文を受けて送ることもあるよ。町の人にはオムレアとかどら焼きが評判かな。観光客には岩内マリンパークとかいなかクッキーとか、賞味期限の長いものが人気だね。和菓子、洋菓子、他にもいろいろと作ってるけど、このクッキーだって、アイデアから、ラベルのデザインとか一つ一つの包装まで、全部自分たちでやってるから、忙しい時には休むことを考える暇もなかったね。今はね、奥さんが帳簿とかやってくれてるから、ちゃんと寝てますよ。」

お菓子づくり一本で100年ですよね。浮き沈みとかありますか?
「いや、もちろんコロナで観光客が減ったのかもしれないけれど、本当に感じるのは岩内の人口が減ってることだよ、岩内が賑やかだったころに比べると全然だね。これから暖かくなる季節だし、水饅頭でも出そうかな。良いこしあんと葛粉で美味しいよ。」

お話しの間に、いなかクッキーをいただきました。5種類のナッツが入ってて、とっても美味しかったです。水饅頭楽しみです。
今日はありがとうございました。

取材:令和3年4月9日