究極の有機農業、岩内深層水は不可欠です!(ニセコ町)

今日は岩内深層水を農業で活用、目に見える成果を挙げておられる農家、ニセコ、アムリタファームの斎藤さん一家を訪ねてきました。

この農地は、斎藤さんのもの?それとも親から受け継がれたものですか?
「実は、私は神奈川県の横浜の近く、戸塚出身で、もともとスノーボードのテストライダーだったんです。輸入物のスノーボードが日本人に合っているかとか、どこをどう改良するとか、世界のスキー場で製品をテストする仕事なんですね。あと、スノーボードスクールの人材育成とかもやってましたね。
その仕事でニュージーランドにいるとき、仲間からニセコの雪がすごく良いって聞いて、それでニセコに来たところで感激、もう、ニセコの雪は手のひらですくって握り絞めても、指からさらさらと流れ落ちていく、こんな雪は世界にないって感激して、そこからニセコに通うようになって、移住を考え始めて、まさか農家になるなんて夢にも思ってなかったですけど、あるとき農業に足を踏み入れたんですね。蘭越の農場で2年間農業の実践勉強をみっちりやることになって。そんなとき、たまたまニセコ町の農政課の人とこの土地を見に来ることがあって、もともとは吉田さんていう方の田んぼだったんですけど、高齢で農地を放棄してしまって、何年も放ったらかしだったんですよ。もうそれは田んぼじゃなくて、そう、そこに見えるような森に全体が覆われてたんです。さあどうするっていう話し合いの中で、どう?斎藤さんやってみれば?みたいなことで始まったんですね。今はわたしの土地ですけど、あんな森を一から開墾しては1棟づつハウスを建ててきました。今は6棟目の温室を建ててます。」

そこから今では有名な「塩トマト」を作るまでになられたんですね。いつ頃から深層水を使っていただいてるんですか?
「うちは北海道で初めて海洋深層水でトマトを育てたんです。6年前になるかな、岩内の方に深層水を紹介されて、試行錯誤しながら、今は深層水の高ミネラル水とニガリのおかげで本当に良いトマトを作れるようになりました。その頃は、ソルトーマっていう塩の負荷をかけたトマトを流行らせようという動きがあったんですけど、私は食味とか味とかにこだわって、その動きからは外れていきましたね。やはり土も水も栄養も化学物質には頼らない有機が一番って、今では確信してますね。全然味が違う、命の力が違う。
春のアスパラ、夏のトマト、秋のカボチャって作っていますけれど、トマトがメインで、ミニトマト、加工用トマト、ミディトマト、大玉、そして塩トマトっていう5種類作ってて、全部に深層水を使ってます。」

こういう大自然の中の農地で無農薬?って、殺虫剤や除草剤なしでどうやって農業ができるのか不思議なんですけど?
「それはですね、自然の生態系を崩さず、虫や菌が健全に存在していると、害虫とかの被害もないんです。例えば、ハウスにクモとかテントウムシとかいても捕らない、害虫を食べてくれるから。それから、菌の力で環境のバランスが保たれてるんですね。ポットで育てて、塩分を与えてトマトに負荷をかける、するとトマトに生きようとする力がみなぎるっていうか、自然の治癒力とか生きる力に満ちてきて、虫もつかないですね。雑草は取るしかないんで、草刈り機でやってます。
ロシアの論文でも見たんですけど、天候不順になって、低温や日照不足で光合成が進まない、植物がちょっと弱ってきたかなっていうときに大切なのがミネラルなんですよ。それをまさに日々実感してますね。そこに深層水の高ミネラル水が本当に良いんです。ミネラルを増やしたいときには深層水のニガリも使ってます。潅水と葉面散布の両方に使うんです。農業資材の製品でミネラルを買うとものすごく高価で、それに比べて深層水の高ミネラル水やニガリは値段も安くて効果も最高、素晴らしいんです。
それから、菌が大事なんですけど、うちはEMっていう善玉菌をミックスしたものを高ミネラル水に混ぜて、トマトの葉に噴霧するんです。菌類は善玉、悪玉色々ですけど、まるで椅子取りゲームのように先にその場所に居着くと他の菌が入れなくなるんですね。だから毎年の始め、ビニールを張ったあと、ハウス全体にこれを噴霧してますね。
それから、この辺りでは、農地を雪にあてろっていう言葉があって、自然界の菌もニセコの環境の中で生きてきだわけだから、冬は雪にさらされるでしょう、うちはハウスのビニールを全部剥がして、土を雪に埋もれさせるんですね。そうすると雪が大地を浄化してくれるというか、連作障害とかも起こらなくなるし。」

じゃあ、と、まずハウスの外に設置されている灌水タンクと液肥タンクを見学。
「水は家の裏から流れてくる天然水で、このタンクには黒曜石とかが入ってて、水を浄化してくれてるんです。それからこれ!液肥のタンクです!液肥を一から作ってる農家なんてあまりないと思うんですけど、自分たちは魚カス、昆布、キノコ類、酒粕なんかを混ぜて、発酵させてるんです。ほら、この小さな器具、酸化還元電位計、ORPメーターっていうものなんですけど、これを使って液肥の水素濃度を測るんですよ。液が酸化の方に寄るとそれは腐敗に向かっているということで、反対に向かうとそれは液が活性化されるってことでエネルギーに満ちてくる、それが測れるんですよ。このメータの値を見て調節しながら活性に溢れた発酵液肥ができるんです。この液肥がトマトの味を劇的に左右するんですよ。ひとつ面白い話があって、一回、私がここにナンプラーっていう魚醬、知ってますよね、それを少しここに入れたことがあって、奥さんがトマトを食べたら、あなた!何か違うもの入れたでしょ!ってすぐに味でばれちゃったんですよ。すごいでしょ。それだけ肥料が味に係わっていることがわかりますよね。」

土にも工夫があるんですか?
「もちろんです。イチゴ培土をベースに土を育てる感じですね。石垣島のサンゴの化石とかを混ぜて、ゆっくりとカルシウムを分泌させるとか。昔、ヤシガラが入った土で育てたトマトを野菜のバイヤーさんが味見したんですけれど、一口食べて、あっこれヤシガラ混ぜてるでしょ、ってすぐに言われて、やっぱりプロの舌にかかったらみんなわかってしまうんだって驚いて、そこから土も一から作る感じですね。」

色々お話しいただいてありがとうございました。ところで、二人で農業を深めていこうという素敵な奥様は、かつて倉本聰の富良野塾で女優をされてたっておっしゃいましたが、お二人はどこで出会われたんですか?
「いや、彼女の父上に蘭越でお世話になってて、地域の神楽祭の手伝いに来いって言われたときにちょうど里帰りしていた彼女と出会ったんです。

いや、トマトの収穫が始まる7月の中旬以降に是非また来てください、季節ごとの農業のこととか、もっとお話ししますから。」
興味津々、いい出会いですね~。ではまた来ます。

 

取材日:令和3年6月7日